善意・悪意

読み方:ぜんい・あくい
ある事情を知っていることを悪意といい、知らないことを善意という。ある事情の存否について疑いをいだいていただけでは知っているとはいえず、悪意にはならない。

ここでいう善意・悪意とは、一般的な道徳上の善意・悪意の価値判断ではなく法律上の概念である。

善意の第三者 」というのがあるが、これは当事者が知っていることを知らない第三者をいい、法律上保護されるケースが多いといえる。一方「悪意の第三者」は「善意の第三者」と異なり、第三者であっても法律上保護を受けられない場合が多い。

例えば、民法94条の 虚偽表示 は、第三者が虚偽表示であることを知らない(善意)ときは、その第三者に対して当事者は無効を主張できないとして、善意の第三者を保護している。反対に第三者が虚偽表示であることを知っていた(悪意)ときは、当事者は無効を主張できる。